ペルセポネの〈殺す女〉という意味は、神話ではきっと冥界の女王だからだと思いますが、ココではハデス限定で使っています。とにかく我が家のハデスは闇の人で、光は受け付けません。だから亡者たちの”光”を乞うた訴えを聞き入れることなく――情に流されることなく――公平な判断を下し、冥界を治めてこれたのです。しかしペルセポネはそうはいきません。亡者の声に耳を傾け、涙を流してしまいます。
そうなるとハデスは、死者を断罪する行為に迷いが生じてしまいます。なんといっても、愛する妻が涙を流しているのですから。ですが罪は裁かなくていけません。そうくると迷いとか軽々しいものじゃなくて、苦渋。そうやってペルセポネはハデスを苦しめていくのです。だからタナトス(黒いローブの男)は、「あれは貴方を死に等しく苦しめる女になる」という事を含めて一言ハデスに告げたのです。死を司る神にとって王はハデスであり、自分の王が苦しむ様を見たいと思う臣下はいませんからね。
と、長い解釈がないとよくわからない話(遠い目)
2006/11/29 脱稿